東京日本橋で創業90年を迎える「たいめいけん」。明治に入ってきた洋食を独自にアレンジし、老若男女問わず誰もが美味しいと思える味を、ていねいにつくり続けている。看板メニューのタンポポオムライスは、故伊丹十三氏が考案したものだ。日本の洋食界をけん引してきた銘店は、なぜmenuを選んだのか。その理由や導入してからの変化について、三代目シェフとして知られる茂出木浩司氏に伺った。

今までも、お店ではテイクアウトもできたのでしょうか?
私自身の三代目たいめいけんというブランドでお弁当の監修などはしているのですが、お店では基本的にテイクアウトはやっていませんでした。
menuを導入されたきっかけを教えてください。
いつかやろうと考えてはいながらも、調理場の負担、オペレーション、電話対応などいろんな課題があるので迷っていました。その矢先に、コロナウィルスでこういったご時世になり、お客さまが外出できない中で、こちらから何かできないかと思い始めました。コンビニにも美味しいお弁当がたくさんありますけれど、料理人が心を込めて作ったお料理を直接食べていただきたいなと思って。やってよかったと思いますね。外出禁止でもお店の味を食べていただけるので。
導入してみて、大きな変化は何でしたか?
調理場に活気が戻りました。コロナウィルスの影響でお店もお客さまが減っていて、調理場の仕事もなくなっていた中、また仕事が増えてよかったなと感じています。暇なアイドルタイムとかにも、オーダーを受けることができますしね。毎日お客さまも増えている状態です。それと、キャッシュレスでカード決済されますので、電話でありがちなテイクアウトの無断キャンセルの心配もなくなります。menuさんが間に入ってくれるので、レストラン側もやりやすいですね。

たいめいけんさん、お客さまから高い評価が付いてますね。
ありがたいことに、五つ星の評価をずっといただいています。その点でも、始めてよかったなと思います。直接評価していただくのでドキドキもしますし、ちゃんとしたものを出そう!という気持ちも強くなります。落とさないようにしていきたいですね。
五つ星評価の秘訣は何ですか?
お客さまに直接出すお料理と、持って帰られるお料理は、作り方や材料も変わってきます。そういう分野に関しては、おせちを何十年とやっていろいろと研究してきました。だって汁が少し溢れているだけでも苦情が入ったりしますからね。それと、持ち帰るための包材も重要です。お弁当では、包材が一番個性を出せるので。おかずと分けて2段重にしてコンパクトにしています。あとは、肌の色に合わせて黒くしたり(笑)。何回でも使えるので、とても便利ですし、袋を持って歩いてくれるだけで宣伝にもなります。
お店にとって、menuを使う一番の利点はどういった点でしょうか?
一番は安全性だと思っています。お客さまがいつ食べるのか、もしかすると次の日かもしれない。その分安全面に対しては気をつかい、私たちにもmenuさんの方にもノウハウがありますので、担当の方といろいろ話し合って決めています。
ノウハウを共有できるのはお互いにとっていいですね。
新しく始めるお店にとってはテイクアウトやデリバリーは難しいので、単独でやるよりmenuさんとやったほうが安心で安全でいいものがつくれると思います。本当にそうですよ。器や出し方について提案していただけるので、とてもやりやすいと思います。

たいめいけんさんとmenu、今後どんなパートナーシップを期待されますか?
今はお店の方に取りにきていただいていますが、これからはデリバリーの方にも力を入れたいなと思っています。まだ来たことのないお客さまにも食べていただいて、美味しいなと思っていただけるものを、私たちがちゃんと作ってお届けして、もう一回、お店の方に食べていただけるように、menuさんと一緒に頑張っていこうと思っています。